当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

オーバーツーリズムの具体例5選!日本での問題や解決策を紹介

この記事ではオーバーツーリズムの具体例と共に問題点、そして解決策を解説しています。

オーバーツーリズムとは、観光客が集中することにより、観光地やその住民、環境に負担がかかる状況を指します。「観光公害」とも呼ばれることがあります。

日本でも訪日外国人観光客の急増や国内観光の活発化に伴い、オーバーツーリズムが深刻な問題となっています。

日本でのオーバーツーリズムの具体例

1.京都

京都は世界的に有名な観光地であり、特に桜や紅葉のシーズンになると訪れる観光客の数が急増します。

例えば、嵐山の竹林では観光客が大勢集まり、歩行が困難になるほど混雑することが珍しくありません。また、元々京都では900円でバス1日券を発行していましたが、バスに長蛇の列ができ地元の人がバスを利用することが困難になったため、令和3年9月30日で発売を終了しています。これにより、販売が継続されているバス・地下鉄の1日券を利用する人が増え、混雑を緩和させています。他にも食べ歩きのポイ捨てや騒音も問題になっています。

宿泊税の引き上げ

京都では宿泊税を徴収しており、2026年3月1日以降からは以下の宿泊税を徴収する条例改定案の運用を目指す方針を発表しています。

宿泊料金改正後現行
6,000円未満200円200円
6,000~20,000円未満400円200円
20,000円~50,000円未満1,000円500円
50,000円~100,000円未満4,000円1,000円
100,000円以上10,000円1,000円

これが実現すれば宿泊税が現在の倍以上である焼く126億円になる見通しで、オーバーツーリズムの対策に補填されます。

2.富士山

日本を代表する観光地である富士山も、オーバーツーリズムの影響を受けています。夏の登山シーズン中は山小屋や登山道が混雑し、ごみ問題や自然環境の破壊が深刻化しています。

河口湖町にあるコンビニでは「コンビニの上に富士山が乗っているような写真が撮れる」とSNSで映えスポットとして有名となりました。その結果観光客が殺到してゴミのポイ捨てや私有地への立ち入り、車道に入り込んだりなどの行為が問題にもなりました。この問題については、目隠し幕を設置することで一旦解決となりました。しかし、幕に穴を開けて撮影する人が現れるなど、イタチごっこが続いている状態です。

3.北海道・シラカバ並木

北海道美瑛町では、観光名所である「セブンスターの木」の近くにあったシラカバ並木が、2025年1月14日にすべて伐採されました。元々シラカバ並木が畑に日陰を作ってしまい農作物への影響が出ていた事もありますが、写真を撮る観光客が車道を塞いだり畑に立ち入ったりなど、オーバーツーリズムの影響も大きかったのも原因です。

4.神奈川・鎌倉

大仏や鶴岡八幡宮など、歴史的な建造物や美しい自然景観が魅力の鎌倉も、観光客の増加に伴い、ゴミ問題や騒音問題が深刻化しています。

またスラムダンクにゆかりのある江ノ電の踏切では撮影者が車道に入ってしまう問題なども発生しています。

5.沖縄・宮古島

宮古島では観光客の急増に伴い、ホテルやバス・タクシーなどの二次交通が不足。それにより二次交通の混雑やレンタカーの増加による交通事故の増加などの問題が発生しました。

オーバーツーリズムの問題点

オーバーツーリズムがもたらす問題点は多岐にわたります。

住民生活への悪影響

騒音

観光客の増加により、観光地周辺では昼夜を問わず騒音が発生することがあります。例えば、観光客の大声での会話や、グループ旅行者による騒動、観光バスのエンジン音が住民の静かな生活環境を壊してしまうケースが多発しています。特に京都のような住宅地に近い観光地では、夜間でも写真撮影や談笑をする観光客の声が響き、住民が眠れないという声が上がっています。こうした騒音は、住民のストレスや生活の質を大きく低下させる要因となります。

ゴミ問題

観光客の急増により、観光地ではごみが増加し、地元の清掃インフラが追いつかない状況が発生しています。特に、富士山の登山道や沖縄のビーチでは、ポイ捨てされたペットボトルやお菓子の包装、使い捨てマスクなどが自然環境を汚染しています。さらに、ごみの分別が徹底されないことや、指定されたごみ捨て場が観光客によって無視されるケースも多く、地元の環境や景観を大きく損なっています。こうした問題は、観光地の魅力を低下させるだけでなく、地元住民が清掃を強いられる負担を増大させています。

インフラの負担

観光客が一時的に集中することで、交通機関や水道、下水処理施設といったインフラに過剰な負担がかかります。例えば、京都や鎌倉のような観光地では、公共交通機関が観光客で満員になり、通勤・通学中の住民が快適に移動できなくなる問題が報告されています。また、宿泊施設の過剰利用により水道や下水処理が逼迫し、一部地域では水質汚染のリスクも指摘されています。さらに、観光客による道路の渋滞や駐車場不足が地域全体の交通網に影響を及ぼし、住民の移動や物流に支障をきたすケースもあります。

環境への悪影響

自然破壊

観光客が大量に訪れることで、自然環境が直接的・間接的に破壊されるケースがあります。たとえば、富士山や屋久島のような自然豊かな観光地では、登山道やハイキングコースの踏み荒らしが問題となっています。観光客が無意識に植物を踏みつけたり、岩や地面を削ることで、生態系が損なわれることがあります。また、ポイ捨てされたごみや不適切な行動(焚火や野営など)によって、自然が汚染される事例も多発しています。こうした自然破壊は、観光地本来の魅力を失わせるだけでなく、生態系全体に長期的な悪影響を及ぼします。

地域経済へのリスク

一見すると観光客の増加は地域経済にプラスの影響を与えるように思われますが、過剰な観光客数が逆に地域経済を歪めてしまうことがあります。たとえば、観光地の多国籍チェーン店や外部から進出してきた大企業が利益を独占し、地元の中小企業や個人商店が観光需要から恩恵を受けられない事例が見られます。また、観光客向けのビジネスばかりが優先され、住民の生活に欠かせない店舗やサービスが減少することもあります。これにより、観光地で暮らす住民にとって生活が不便になるだけでなく、地域本来の経済が持続可能性を失うリスクが生じます。

物価の上昇

観光客の需要増加に伴い、宿泊施設や飲食店、交通費などの物価が高騰する傾向があります。この影響で、観光地に暮らす地元住民が日常生活で必要な商品やサービスを手に入れる際に、より多くの費用を支払わなければならなくなる場合があります。たとえば、沖縄や京都のような観光地では、観光客向けの飲食店やアパート賃料の高騰が住民生活に負担を与えているという報告があります。特に住宅価格や賃貸料の上昇は深刻で、地元住民が住み慣れた地域を離れざるを得ない「観光地の空洞化」につながることもあります。

オーバーツーリズムの解決策

  • 観光客の分散化
    観光客を特定のシーズンやエリアに集中させない取り組みが重要です。例えば、観光のオフシーズンに割引キャンペーンを行う、知名度の低い観光地を積極的にPRするなどが有効です。新たな観光地を開発することで、観光客を分散させます。
  • 予約制の導入
    一部の観光地では入場者数を制限するために予約制を導入する方法が効果的です。例えば、奈良県の吉野山では桜シーズンにシャトルバスの利用を予約制にすることで混雑を軽減しています。
  • 観光税の導入
    観光税を課すことで、収益を環境保全やインフラ整備に充てることができます。京都市では2018年に「宿泊税」が導入され、観光客が負担することで地元の維持管理に役立てられています。2026年にはさらに宿泊税を増やすことで、オーバーツーリズムへの対策へ活用される予定となっています。
  • 観光教育の推進
    観光客に対して、マナーや地域文化への配慮を促す教育キャンペーンを行うことも重要です。例えば、訪日外国人向けにガイドブックやSNSでの啓発活動を強化することで、観光地での適切な行動を促進できます。
  • 住民への支援
    住民にとって住みやすい場所であり続けることが、観光地としての魅力を維持する上でも重要です。住民が安心して生活できる環境が整っていれば、観光客と地元住民の良好な関係も築きやすくなります。また地域住民が快適に暮らし、観光客を歓迎できる環境が整えば、観光地の雰囲気が良くなり、観光客自身の満足度も向上します。
    京都ではバスの混雑を避けるために1日乗車券の販売中止や混雑する路線にはバス便を追加するなど住民への支援が行われています。

このように、オーバーツーリズムの問題を解決するためには、さまざまな取り組みが必要です。

まとめ

オーバーツーリズムは観光地の魅力を維持しつつ、地元住民や環境への影響を最小限に抑えるための重要な課題です。観光客の分散化や環境保全、観光地の持続可能な運営に取り組むことで、観光地と地元の両者が恩恵を享受できる形が理想的です。政府や自治体、観光業界、観光客自身が協力して解決を目指すことが必要です。


ランキングに参加しています。

クリックでの応援が励みになります!

▼ ▼ ▼
旅行・観光ランキング

-お役立ち情報