冬の北海道は雪をテーマにしたイベントが開催されているため、観光地として人気があります。
札幌市内だけではなく、札幌近郊も観光する場合は電車よりもレンタカーでまわるのがおすすめです。
本記事では冬の北海道をレンタカーで運転するときの注意事項、安全運転のコツを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
北海道の雪道が危ないといわれている理由
北海道は全国でも有数の豪雪地帯のため、地元の人でも雪道を運転するときは、細心の注意を払いながら運転します。
北海道の雪道が危ないといわれている理由をまとめました。
道幅の狭さ、わだちなど路面状況が悪い
雪道の運転が危ないといわれている理由は、雪が積もると道路の端に雪山ができ、道路の幅が狭くなります。
片側2車線の道路を運転する場合は、右側の車線にいるのがおすすめで、夏と比べてスピードを出す車も少ないため、雪道の運転に慣れていなくても右側の車線を運転しましょう。
さらに雪道ではわだちにも注意が必要で、わだちが深く固まってしまうとハンドル操作が難しくなります。
そのため、わだちの流れに逆らわず充分にスピードを落として走行するのがおすすめです。
雪で車線や停止線が見えにくい
雪道では車線や停止線などが雪で隠れてしまい、見えにくいことがあります。
とくに交差点の停止線は横断歩道の近くだけではなく、道路によっては離れたところにあるので注意が必要です。
道路の端にある標識が目印になるので、走行中は「停止線」、「中央線」などの標識を常に意識して運転しましょう。
ホワイトアウト
北海道の雪道を運転するときはホワイトアウトにも注意しなければいけません。
ホワイトアウトは大雪や吹雪で視界が真っ白になり、現在位置や方向、他の車との距離感が分からなくなります。
さらに雪が降っていない晴天の日でも、道路の端にある雪山が強風で巻き上げられてもホワイトアウトは発生します。
そのためホワイトアウトで走行が難しいときは、スーパーやコンビニ、道の駅などの施設に避難するのがおすすめです。
避難できそうな施設が無い場合は、路肩でハザードランプを点灯させ待機しましょう。
※車で待機しているときは、マフラーが雪に埋もれていると一酸化炭素中毒の原因になるため、換気を確保しましょう。
運転時に注意する3つのアイスバーン
雪道の運転では視界不良だけではなく、アイスバーンでのスリップにも注意が必要です。
アイスバーンは3種類あり特徴も異なりますので、冬の北海道を運転する場合はぜひ参考にしてください。
圧雪アイスバーン
圧雪アイスバーンとは道路に積もった雪が車の往来で踏み固められた路面状態のことです。
3種類のアイスバーンのなかでは滑りにくく、ブレーキも効きやすいですが、雨で路面が濡れたり日中に気温が上がると、表面の雪が溶けると滑りやすくなります。
そのため、アイスバーンの路面を走行するときは、スピードを落とし車間距離を充分に取りましょう。
ブラックアイスバーン
ブラックアイスバーンとは路面の水分が凍っている状態で、他のアイスバーンと比べても滑りやすく、スタッドレスタイヤでもスリップしやすいのが特徴です。
とくに夜間の運転時に注意が必要で、雪が見えないため路面が濡れているように見えますが、じつは凍結しています。
雨が降ったり日中に溶けた雪が夜になると凍るので、昼夜の温度差が大きい日はとくに注意が必要です。
そのため雪が見えなくても、スピードは充分に落として走行しましょう。
ミラーバーン
ミラーバーンとは雪がタイヤで踏み固められて鏡のように磨かれている路面のことです。
交差点などの車の往来が多い場所はミラーバーンになりやすく、発車時や停車時のスリップの原因にもなります。
スタッドレスタイヤでも滑りやすくて、光にも反射するため事前に気づきにくいのが特徴です。
「スケートリンクの上を走っているようだ」と表現されることもあり、慎重に運転しなければすぐにスリップしてしまいます。
急発進や急ブレーキに気をつけるだけでも、スリップの予防には効果的です。
もしスリップしてしまったら
急発進や急ブレーキ、急ハンドルに注意してもスリップすることもあります。
もしスリップしてしまったら、まずはアクセルから足を離してスリップした方向と同じ方向へ少しずつハンドルを回しましょう。
たとえばハンドルを左に切っていて右にスリップした場合は、ハンドルを少しずつ右に回しタイヤをまっすぐに戻すとコントロールできます。
雪道を運転する前に準備したほうが良いもの
雪道を安全に運転するためには事前の準備がとても大事です。
夏に北海道を運転するよりも事故やトラブルが起きるリスクが高いので、事前に準備や確認することをまとめました。
レンタカーの装備
冬の北海道を運転する際に確認したいレンタカーの装備は下記の通りです。
- スタッドレスタイヤ
- スノーワイパー
- スノーブラシ
- 4WD
スタッドレスタイヤ、スノーワイパーは降雪が多い地域では、冬の期間は無料で装備されており、スノーブラシも備えつけで用意されています。
4WDはオプションで別途有料になりますが、北海道の雪道を運転する場合は4WDがおすすめです。
4WDはFFやFRと比べて雪道でもスリップしにくいのがメリットで、すべてのタイヤに力が分散され摩擦の力が働きやすいため、スリップも発生しにくいです。
さらに4WDは馬力が強いので、雪道や舗装されていない路面にも適していますが、車体が重たいため、下り坂を走行するときはエンジンブレーキも使いましょう。
防寒対策や緊急時の食糧
雪道をレンタカーで運転する場合は防寒対策や緊急時の食糧も事前に準備しましょう。
ホワイトアウトなどのトラブルで動けなくなり、車内で長時間過ごさないといけない場合のために用意しておくと安心です。
マフラーや手袋、カイロなどの防寒具や食糧は新千歳空港やコンビニで手軽に買えるため、緊急時に備えておくと便利です。
オプションの保険や保証
レンタカーの基本的な保証は料金に含まれていますが、オプションで補償を追加できます。
料金は別途かかりますが、雪道の運転は夏場に比べても事故が起こりやすいため、オプションを付けると安心です。
基本料金のなかでも対人補償や対物補償、搭乗者傷害保障や車両保証基本保証もありますが、免責金額が発生してしまいます。
オプションで免責金額が無料になるプランもあるほか、JAFの会員証レンタルも追加で申し込みできます。
任意ではありますが、緊急時に備えて保険や保証は別途付けるのがおすすめです。
降雪量が多い時期
北海道でも降雪量が多い地域もあれば、少ない地域もあります。
観光客が多い札幌市(石狩エリア)の年間降雪量を図にまとめましたので、レンタカーで北海道旅行を計画している方は参考にしてみてください。
月 | 降雪量 | 雪日数 |
11月 | 30㎝ | 15.6日 |
12月 | 113㎝ | 27.9日 |
1月 | 137㎝ | 29.1日 |
2月 | 116㎝ | 25.3日 |
3月 | 74㎝ | 24.5日 |
12月になると降雪量が一気に増えて、路面は常に雪がある状態になります。
さらに1月にピークを迎え、3月の中旬頃から少しずつ日中の気温が上がり雪が溶け始めます。
そのため雪道の運転が心配な方は1月を避けて、12月か2月に旅行するのが安心です。
冬の北海道を安全に運転するための豆知識
冬の北海道は札幌以外にも人気の観光地がたくさんあるため、レンタカーを借りて移動すると便利です。
食べ歩きや道の駅を訪れるのに車は欠かせないので、冬の北海道を安全に運転するための豆知識を紹介します。
スピードダウンと車間距離をあける
冬の北海道を安全に運転するには、スピードを出さず車間距離は充分に取りましょう。
夏と比べてブレーキを踏んでもすぐには止まれないのと、スリップの原因にもなります。
路面が凍結やわだち、雪で車線や停止線が見えにくいため、冬の運転は細心の注意が必要です。
さらに天候不良も起こりやすいので、雪道を運転するときはスピードと車間距離に気をつけてください。
急発進や急ブレーキ、急ハンドルに気をつける
冬の北海道を安全に運転するには急発進や急ブレーキ、急ハンドルをしてしまうと事故の原因になります。
凍結路面で急発進してしまうとタイヤが空回りしてしまうため、アクセルはゆっくりと踏みましょう。
さらに走行中にブレーキを強く踏むとABSが作動しますが、坂道など速度を極端に落とした状態だと作動しないこともあります。
そのためブレーキを急に踏まないよう注意しましょう。
エンジンブレーキを活用する
冬の北海道を安全に運転するためには、エンジンブレーキを活用するのもおすすめです。
とくに凍結路面で下り坂を走行している場合は、ハンドル操作が難しくスリップやスタックする可能性があります。
そのためブレーキを踏むだけではなく、ギアを1速にしてエンジンブレーキを効かせながら運転しましょう。
天候が悪いときはライトを点滅
雪が降ったり吹雪など天候が悪く、視界が確保できないときはライトを付けるだけでも事故を防げます。
さらにホワイトアウトが発生して路肩で待機しているときも、ヘッドライトとハザードランプを点灯させましょう。
車の位置を他の車に知らせるだけでも、事故を防ぐのに効果的です。
移動はコンパクトに
雪道の運転に慣れていない方が冬の北海道を運転するときは、コンパクトに移動できるような計画にしましょう。
北海道はとても広く移動時間も長くなります。
新千歳空港からレンタカーを借りる場合は、次の観光地まで1時間以内に到着できるスポットがおすすめです。
たとえば同じ千歳市内には支笏湖温泉があり、空港からは車で40分ほどで行けます。
さらに1時間ほどで札幌市にも行けるため、冬の北海道をレンタカーでまわるときは、コンパクトに移動しましょう。
まとめ
本記事では冬の北海道をレンタカーで運転するときの注意事項、安全運転のコツを解説しました。
北海道は広くて移動距離が長いため、レンタカーで移動しながら観光するのが便利です。
雪をテーマにしたイベントがいろいろな場所で開催されているため、冬の北海道で素晴らしい思い出を作ってください。